2011年10月18日

大阪府橋下知事の「安威川ダム事業継続」

との国への回答に抗議する

明るい茨木をつくる市民の会・安威川の治水を考える流域連絡会

大阪府橋下知事は、昨年9月に国より要請のあった安威川ダム事業の検証について、河川整備委員会の審議を経て「事業継続」との対応方針を決定し、10月7日、国土交通大臣あてに、「検討結果報告書」を提出しました。

ひきつづいて大阪府は国の承認後、ただちに「ダム本体工事」等(ダム建設総事業費1370億円・残建設事業費530億円)に着工するとしています。

 

崩壊する「ダム万能神話」

安威川ダムも計画から40数年。今こそ国も大阪府もダム万能の考え方から脱却して、際限のない自然現象による想定を超える洪水に対しても、被害を最小限にくい止めるために、破堤による壊滅的な被害の回避と軽減を流域全体で取り組む「都市型総合的水害防御計画」の検討を行うべきです。

 

今こそ、「堤防補強+河川改修案」を検討せよ

大阪府は安威川本川の治水対策として、5つの方法(@ダム案、A河道改修案、B河道改修+遊水池案、C河道改修+放水路案、D河道改修+流出抑制案)を比較検討して、コスト面でもダムが最も低価格としていますが、私達がかねてから主張している耐越水堤防や決壊しづらい堤防など堤防強化+河川改修案については検討すらされていません。専門家は「安威川本川は堤防補強が実施されれば、百年に一回規模程度の洪水は流下できる。一方、茨木川など支流の改修が遅れている。したがって本川の堤防補強、支流の改修および堤防補強を優先するのが望ましい」と述べています。

 

12号台風斜面崩壊や東南海地震津波も視野に入れた治水対策を

市街地の直上に建設する安威川ダム。安全についての徹底した検証が欠かせません。大豪雨時のダム貯水池周辺斜面崩壊で下流域大洪水の心配があります。さらに東日本大震災と同じ規模の地震が起きた場合、大阪府下でも茨木市を含む約16の市が津波の被害にあうと指摘されています。今からでも決して遅くはありません。世論の力で、安威川ダム計画を一旦凍結して、本川と支川の堤防強化と河川改修による治水対策を検討させましょう。